Ⅰ 研修のねらい
変化に主体的に対応しリーダーシップを発揮するための自己変革を促進する。
21世紀の組織においては、内外のネットワークを通じて仕事が進められます。その際にネットワークの
全員が目的に向かって相互に影響力を及ぼすことが求められます。リーダーシップの発揮はもはや特定の地位や役割の人にだけ求められるのではなく、全員にその発揮が求められていると言えます。
リーダーシップは集団内の相互作用を通して誰もが発揮できる「対人影響力」です。
リーダーシップを発揮するための自己変革は、自分自身の対人影響力の特徴を正確に把握し、そのよう
な行動をとっている原因について深く分析・洞察し、自らの意思で今後の行動指針を決定することにより促進されます。
Ⅱ 研修の目標
1.自分自身のリーダーシップ(対人影響力)の現状を客観的に把握する。
自分が現実にどのようなリーダーシップを発揮しているのかを客観的に把握し、また、周囲から何を期待されているかを正確に理解することが第一の目標です。独りよがりでない客観的な現状把握が自己変革の土台になります。
2.現状のリーダーシップがなぜそうなっているかの原因を洞察する。
現状の自分のリーダーシップがそうなっている原因を、自分自身の内面の問題として洞察することが第二の目標です。
人間の行動は外部の様々な要因に影響されますが、最終的に行動を決定するのは個人の内面にある“思い”や“感情”です。
自分の行動に大きな影響を与えている内面の要因に気づき、受け容れることが主体的で個性を活かす方向への自己変革のスタートになります。
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3.今後どのようにリーダーシップを発揮していくかを意思決定する機会を得る。
今後どのようにリーダーシップを発揮していくかの行動指針を自らの意思で決定することが第三の目標です。周囲からの期待を踏まえた上で、主体的に意思決定することにより自己変革への決意と継続性が強化されます。
Ⅲ 研修の方法
リーダーシップ発揮のための自己変革を推進するために、3つの方法を組み合わせています。
1.現状把握、自己洞察のためのデータ提供
①業務行動調査
職場におけるリーダーシップ発揮の現状について、本人自身、上司、同僚からアンケート調査(360°サーベイ)を行い、その結果を合宿研修前に本人にお知らせして分析して頂きます。
②TPI(GAD/PAC)
自分自身の内面の特徴(強み・課題)を知り、自己洞察を深めるための材料として、合宿研修の中で本人にお知らせします。
2.自己洞察・自己変革のための小グループ単位の合宿研修
人が長期間にわたって習性として作りあげてきた思考・行動パターンを変革し、新たな思考・行動パターンを獲得することは容易なことではありません。そのためには、自分の思いや感情を安心して開示でき、お互いの存在が尊重され受け容れられ、“べき論”や建前でなくホンネの対話ができる環境が必要です。合宿研修でこのような環境を小グループ(標準6名)でじっくりと時間をかけて形成していきま す。小グループで生み出されるこのような人間関係を「援助的関係」と呼びます。
3.上司との合宿研修前後の面談
研修の成果は本人と上司との相互理解、上司からの適切なサポートによって高められます。
①研修前の面談 上司から期待されている役割や課題を聞く。「業務行動調査」結果の分析内容についてアドバイスを受けます。
②研修後の面談 研修で洞察した内容および今後の自己変革の方向性と具体策について上司に報告し、アドバイスを受けます。
「援助的関係」
援助的関係の考え方とその効果は、ロジャース博士の長年の実践的研究により見いだされ、広く支持を得ているものです。
人間は援助的関係の中で自分自身の個性や可能性への気づきを深め、より健康に、より主体的に、より創造的に行動するようになることをロジャース博士が発見しました。
小グループで援助的関係を成熟させるための条件と、援助的関係が成熟して得られる結果は下表のように説明できます。
グループの中に援助的関係が成熟するには一定の時間と適切なファシリテーションが不可欠です。通常は4日程度のグループ活動の時間を用意いたしてあります。
Ⅳ 研修プログラム (自己変革のプロセス)
4日間の合宿研修においては、「援助的関係」の成熟に連動して下図のように自己変革のプロセスが進行します。
Ⅳ 研修プログラム (概要)